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飲食店のコンセプト設計のポイント
飲食店を開業するにはしっかりとしたコンセプトを持つことが必要といわれます。それはどのようなもので、何からどんな風に決めていけばいいのでしょうか。今回は飲食店のコンセプト設計のポイントについて解説します。
そもそもコンセプトとは?
コンセプトは「基本概念」と訳されることが多い言葉です。飲食店におけるコンセプトといえばお店の特徴、個性、ウリといったことを表す言葉だと捉えればいいでしょう。飲食店を作るときはコンセプトが重要とよくいわれるのは、それがないとメニューも立地もお店の外装や内装も、従業員のサービスの仕方も定まらず、ブレたお店になってしまう恐れがあるからです。「流行るお店」の多くはコンセプトを持っています。古くからずっと続いているお店であっても必ず「こだわり」があり、それがコンセプトを形成しているといえるでしょう。
コンセプトの作り方
業態について考えてみる
ここではカフェを例に挙げてみましょう。「カフェ」という言葉は実は業種よりも業態に近い言葉です。業種は何を売っているかを表す言葉で、カフェは大業種としては「飲食業」、小業種としては「喫茶店」に入ります。喫茶店というのは古い言葉なので便宜的に業種を表す言葉として使われており、喫茶店の中に「喫茶店業態」「カフェ業態」やそのほかの業態があります。
ではカフェ業態とは何かといえば、一般的にはターゲットが喫茶店より若く、ライトでおしゃれなイメージ、欧米のカフェを模したコーヒーなどが飲めるお店と、いったものになるでしょう。
あなたが「カフェ」を作りたいと思ったということは、その時点ですでに業種と業態を選択していることになるわけです。
「○○風」を探してみる
それではあなたはどんな「カフェ」にしたいと考えているのでしょうか。思いつくキーワードを書き出したり、イラストも描いてみたりしましょう。その際、今までになかったようなまったく新しいカフェのアイデアがあるのならそれもいいのですが、すでにあるイメージモデルを考えるのもきっと役に立ちます。「パリにあるような」「あの映画で見たような」といったイメージでもいいし、実際に存在していて流行っているお店をモデルにするのもかまいません。「○○風」を思い描くことのメリットは、例えば共同経営者、従業員、外装・内装工事業者、お客様などに対して、イメージを伝えやすい点にあります。要はコンセプトを共有しやすいということです。
しかし、「○○風」をそのまま作ったのではただの物真似です。そこで「ただし、ここはこうする」という差別化するポイントを加えていきましょう。
ターゲット、売上目標を決める
お店のイメージが固まってきたら、ターゲットも明確にしていきましょう。ターゲットが変われば、同じカフェでも学生向けのリーズナブルなメニュー、OL向けのヘルシーなメニュー、男性も呼び込むならランチにボリューム感のあるメニューといった風に提供するものが変わってきます。カフェというスタイルを借りながら、主婦やファミリーをターゲットにした入りやすいお店にするのも一つのやり方です。ビジネスマン向けにノートPCやネットが使いやすい環境を整えるスタイルもあり得るでしょう。それらによって設備も、流す音楽も、香りの演出も、トイレや洗面台の作りも変わってくるものです。
また、売上や利益の目標をシミュレーションして算出することも大事です。それによって原価率をどうするか、内装や設備にいくらかけられるのかも変わってきます。資金、売上目標、そしてこんな店にしたいというコンセプトの3つを秤にかけて、バランスを取らなくてはなりません。
イメージシートを作成する
最後にイメージシートを作りましょう。これは店づくり、店舗経営のコンセプトを最終的にまとめたものです。
具体的には、
- 「Why」なぜ、そのお店をやりたいのかという動機、ストーリー
- 「What」何を売るのかという商品内容、メニュー
- 「Where」どこでやるのかという立地
- 「Whom」誰に売るのかというターゲット
- 「When」いつ売るのかという営業時間
- 「Who」誰がやるのかという従業員、スタッフ
- 「How to」どのように営業するのかという業態
- 「How much」いくらで売るかという価格設定
を決めていきます。このシートを作成することで情報が整理され、コンセプトが固まっていきます。
飲食店のコンセプトは以上のポイントに沿って設計してみるといいでしょう。参考にしてみてください。
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